医療・福祉マネジメントセミナー(平成28年度 )

2017.02.05

人々の幸せと医療・福祉の豊かなつながりに向けて
~これからの地域包括ケアシステムの構築と課題~

滋慶医療経営管理研究センターでは、医療・福祉の業界でご活躍されておられる皆様のキャリア教育(キャリアアップ)、及び高度専門職業人の育成を目的として、セミナー・講演会を開催しております。
医療・福祉分野で活躍・注目されている講師をお招きしておりますので、ぜひ、皆様のキャリアアップの一助としてご活用下さい。

日時 演題・演者・略歴
【7月】
2016年7月3日(日)
14:00~16:00
医療の現状と将来の経済政策

【講演概要】
医療がこれまでにない程の岐路に立たされている。2025年問題などを控え医療はこれまでにない厳しい状況に直面しています。一般的な話としては医療職者すべてが厳しさを聞き及んでいるものと思われます。しかし,そのことが遠くの話なのか理論的にどう考えても破たん寸前の状況なのかはきちんとした議論を聞いたものは少ないのが現状ではないでしょうか。そこで,今回は事例を踏まえながら,経済学的にみて医療の現状と将来どのような政策がとられると予想されるのかを説明いただき,その後各医療機関はどのように対処することが最善なのかを議論していきたいと考えています。

跡田 直澄 氏
大阪大学大学院医学系研究科 特任教授
嘉悦大学ビジネス創造学部 教授

【略歴】
和歌山大学講師(1981-1985)、帝塚山大学助教授(1985-1992)、名古屋市立大学助教授(1992-1996)、大阪大学大学院国際公共政策研究科教授(1996-2002)、慶應義塾大学商学部教授(2002-2008)を経て、2009年より嘉悦大学経営経済学部教授、同大副学長、ビジネス創造学部長などを歴任、現在に至る。
元・大蔵省財政金融研究所特別研究官、内閣府経済社会総合研究所客員主任研究官。

【会場】
●滋慶医療科学大学院大学(大阪滋慶学園合同校舎)9階 大教室
アクセスMAP

【9月】
2016年9月10日(土)
14:00~16:00
平穏死 ~ 穏やかな最期のために ~

【講演概要】
われわれは、人生最期の迎え方について、今までになく考えなければならない時に来ています。日本は世界一の長寿社会になりました。延命治療法は次々と開発されます。自分の最期の迎え方を選べるはずなのに、どこまで延命処置を受けなければならないのか判らなくなっています。我々は老いて衰えて最期は自分の口で食べなくなります。実はこれは身体が生きることを終える証なのです。最終章での必要な水分や栄養の量はどんどん減っていきます。死ぬのだからもう要らないのです。入れない方がむしろ穏やかに逝けるのに入れるのです。多くの人は人生の最終章が来たら、病院で管だらけになって死ぬのは嫌だと言います。しかし親や連れ合いの最期が来ると、救急車を呼んで病院に送ります。点滴や経管栄養(胃瘻)をして、頑張らせなければならないのでしょうか。反って苦しめることにならないのでしょうか。我々は自然の摂理を無視して、医療に過剰な期待をしているのではないでしょうか。今改めて医療のあり方を考えなければならないのです。‘一人しかいない私のお母さん、どんな姿でもよい、いつまでもこの世に居て欲しい’というあの家族の感情、その思いはわからないではありません。しかし本当は理性の問題なのです。家族自身が、何が親のためになるかを考えるべきです。何れは自分の番が回って来ます。一人一人が自分の問題としてとらえ自律すべきです。老衰という自然の摂理を認識し、医療は本来人のための科学であることに戻り、最終章における医療の役割、介護の使命を認識する時です。私が作った「平穏死」という言葉の意味は、単なる延命治療が意味をなさないのであれば、それをしなくても責任を問われるべきでないという主張なのです。生きて死ぬ、自然の摂理、死の高齢化の大波はもうわれわれの足下をすくい始めています。 「自然」とはそもそも「自(おのず)から然(しか)り」、しっかり生きて、そして最期に自然に従ってこれでよかったと思いたいものです。

石飛 幸三 氏
社会福祉法人世田谷区社会福祉事業団
世田谷区立特別養護老人ホーム
芦花ホーム 医師

【略歴】
慶應義塾大学 医学部 卒業(1961)
消化器外科専攻。その発展の為に血管外科の必要性を感じて1970年からドイツ、フェルディナンド・ザウアーブルッフ記念病院で血管外科医として勤務。1972年より東京都済生会中央病院で血管外科の応用手術に励むとともに、30年間に渡って脳梗塞の予防を目的とする頸動脈内膜摘除術やピッチャー(野球)の血管損傷の手術法の発展に寄与した。
老衰へどこまで医療が介入すべきかを考え、9年前より特別養護老人ホーム芦花ホームに勤務し、現在に至る。

【会場】
●滋慶医療科学大学院大学(大阪滋慶学園合同校舎)9階 大教室
アクセスMAP

【10月】
2016年10月1日(土)
14:00~16:00
サービスマネジメントを基盤とした管理のカタチ

【講演概要】
国民医療が40兆円(平成26年度)を超える医療は、産業としては第3次産業の中のサービス業に分類される。医療はサービス業として産業構造に組み込まれているにもかかわらず、その非営利性のゆえかこれまでサービ業としての認識が十分でなかった。
一方で、医療の受け手の認識の変化は進んでおり、医療提供者側の認識の遅れとの間にさまざまな摩擦を生じている。こうした認識のズレが医療者への信頼を失わせていく遠因となっている。
看護管理者は、顧客のニーズに応えるため提供される看護サービスの質に責任をもち、スタッフの力を組織化する役割をもつ。それにはどのような「管理のカタチ」が求められるのであろうか。参加者と共に考えたい。

井部 俊子 氏
聖路加国際大学 看護学部 特任教授

【略歴】
聖路加看護大学卒業(1969年)。
聖路加国際病院勤務を経て87年より日本赤十字看護大学講師。聖路加国際病院に復職し看護部長・副院長を歴任。2003年より聖路加看護大学教授、04年より16年3月まで学長。2016年4月より特任教授。
博士(看護学)

【会場】
●滋慶医療科学大学院大学(大阪滋慶学園合同校舎)9階大教室
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【11月】
2016年11月6日(日)
14:00~16:00
地域包括ケアへの取組みと現状

【講演概要】
住み慣れた地域で生活を続けることができるよう,住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築が急がれています。ただし,実態的は各機関がバラバラに進めていて,統合されたシステム構築にはまだまだ課題がおおくあります。今回は,特に進んでいるとは言えない医療と介護の間にある意識の違いを議論するために,各機関の取り組みを報告後どのような問題点があるのかを議論していくことにします。

光山 誠 氏
医療法人敬英会 介護老人保健施設 つるまち 理事

野口 寿美 氏
医療法人清和会 長田病院 包括ケア責任者

【会場】
●滋慶医療科学大学院大学(大阪滋慶学園合同校舎)9階 大教室
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【12月】
2016年12月17日(土)
14:00~16:00
富山型デイサービスの実際と課題、これからの展望

【講演概要】
みんなが一つ屋根の下で過ごすことは日本の文化である。共生とはどんな人でも排除しないで包みこむことである。この理念をモットーに看護師3人がスタートさせた。22年間で縦割行政に風穴を開け、いくつかの制度を行政と協働で作りあげた。
今では富山型デイサービスの理念が広がり、共生デイサービスが1400事業所と広がっている。

惣万 佳代子 氏
特定非営利活動法人 このゆびとーまれ 理事長

【略歴】
20年間勤めていた富山赤十字病院を退職し、民営デイケアハウスこのゆびとーまれを開所(1993)させる。赤ちゃんからお年よりまで障害があっても、誰もが利用できるデイサービスを実現させた。
富山ケアネット会長(1998)、宅老所・グループホーム全国ネットワーク代表世話人(2007)、厚生労働省のいくつかの委員を務める。
第45回フローレンス・ナイチンゲール記章受章(2015)

【会場】
●滋慶医療科学大学院大学(大阪滋慶学園合同校舎)9階 大教室
アクセスMAP

【1月】
2017年1月21日(土)
14:00~16:00
医療の質を測り改善する ~聖路加国際病院の試み~

【講演概要】
聖路加国際病院では、2005年以降、主として電子カルテのデータを用いて、100以上の質指標Quality Indicator(QI)を測定・公開し、PDCA(Plan、Do、Check、Action)サイクルを回しながら改善の試みを続けている。QIとは、例えば、降圧薬を処方されている患者のうち、140/90 mmHg以下という降圧目標を達成している患者の割合をいう。QIの測定・公開と改善の努力により、院内で測定しているQIの約3分の2は著しく改善してきた。最近では、2010年以降の病院団体に対する厚生労働省の補助金支援もあり、多くの病院でQIの測定・公開が行われるようになった。
QIの測定・公開は、複数の施設間で(横断的に)比較することを第一義的な目的とするのではなく、同一施設内で経時的に(縦断的に)改善することに主眼を置くべきである。そうすることにより、QIの測定・公開に伴う医療者の心理的抵抗感や科学的妥当性に関する懸念を引き起こすことなく、純粋に患者の健康アウトカム最大化を照準に定めることができる。

福井 次矢 氏
聖路加国際大学 学長
聖路加国際病院 病院長

【略歴】
京都大学医学部 卒業(1976年)
聖路加国際病院にて研修。1984年ハーバード大学公衆衛生大学院修了。帰国後、国立病院医療センター(現・国立国際医療研究センター)循環器内科、佐賀医科大学総合診療部教授、京都大学医学部附属病院総合診療部教授、京都大学大学院医学研究科臨床疫学教授を歴任し、2005年から聖路加国際病院院長。2012年から聖路加国際大学理事長を兼務。2016年理事長を退任し聖路加国際大学学長に就任。京都大学名誉教授。

【会場】
●滋慶医療科学大学院大学(大阪滋慶学園合同校舎)9階 大教室
アクセスMAP

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